2014/12/09

Excel ユーザーのための Excel Services - Office 365

Excel ユーザーが Excel Services を全く知らない、というケースは往々にしてある。もちろん、Office 365 の E3 や、SharePoint Online の Plan 2、オンプレミスの SharePoint Server それも Enterprise 版でなければ使えないのだが、Excel を日々業務で使っているユーザーにとっては、Excel Services で何ができるかを知っておいて損はない。

Excel Services で何ができるのか

データ集計を Excel で行い、グラフと表を駆使してレポート用のワークシートを作るケースは多いと思う。その作成したワークシートを印刷して、上司なり管理担当者に渡したときに「これを社員全員で共有したい」と言われることも多いのではないだろうか。

ブックをメールに添付して関係者に一斉送信する、共有ファイルサーバーに保存してその場所を伝えると、「Web のページに貼り付けてみられるようにしてほしい」と言われる。そこでグラフを画像にして Web ページに <img src> タグを使って張りつける。

月に1度の月次集計の結果であればまだしも、週次、日次となるとその手間はかかる。そこでデータ集計結果をデータベースから C# を使って、Javaを使ってとりだし、JavaScript でグラフ表示ライブラリーを使って Web 開発をして、、、

「経営状況を可視化するダッシュボードを作成し、KPI を管理しましょう」

ここにいくらの投資をしているのか。また、しなければならないのか。

すでに Excel でグラフと表でレポート(=ダッシュボード)を作っているのであれば、それを公開したほうが早いと思うであろう。

Excel Services はブックそのもの(タブでワークシート選択可能)、名前(named range)で指定した範囲だけを SharePoint のページに表示させる機能である。

ブックを表示(タブでワークシートの切り替え可能)

グラフのみ表示

名前で範囲指定を表示

表示させるだけでなく、操作も可能

実務で使う分析シートは、部門別、製品別、担当者別などなど、データの切り口を変えてみたくなる場合が多い。この時、Excel ではピボットテーブルを使い対応することがもっとも効率的だ。
Excel Services は単にワークシートを表示させるのではない。Excel Online のように、SharePoint のページの中の Excel を操作させることも可能だ。(この Web パーツの実態は Excel Online のビューのようなものである)

これによりピボットテーブルを Excel Services で SharePoint ページに表示し、各種切り口で分析結果を変えて確認することが可能だ。

また、Excel 2010 で追加されたスライサーなど新しい機能も活用できる。操作性を考えれば、今までのフィールドリストでの選択や、ドラッグアンドドロップに比べて、ボタンを押すだけで切り口を変えるスライサーのほうが圧倒的に使いやすい。



表示方法を指定・保存した Excel ブックを SharePoint の Web パーツとして貼り付ける

使い方はいたってシンプルである。
通常の利用との違いは、表示させたい範囲や、グラフ、ピボットテーブル、テーブルがあれば、Excel ブックを保存するときに「ブラウザーの表示オプション」を設定し、SharePoint のドキュメント ライブラリーに保存するだけだ。


もちろん、このオプションはブラウザー表示(=Excel Online と Excel Services)でのみ有効で、ローカルPCの Excel で開けばすべてのワークシートを参照することが可能だ。

全員分の E3, Plan 2 ライセンスは要らない

とはいえ、この Excel Services を使うには E3/SharePoint Online Plan2 以上が必要だ。Office 365 E1 と E3 の一人当たりの月額ライセンス料はかなり違う。しかし、E3 が必要なのは Excel Services を使って SharePoint のページを設定するユーザーのみであり、参照するだけのユーザーは E3 である必要はない。

実務上 E3 までを有するべき人は現場の担当、責任者だけで、皮肉的だが参照するだけの経営層はそれほどの高機能のサービス/ライセンスを与える必要はない。もちろん、参照だけしかしない一般ユーザーも E3 を付与する必要はないのだ。

それでも落とし穴がある

Excel ユーザーにとっては、自分が作成したブックの出力結果を会社・組織全員と共有できる夢のサービスのように感じられると思うが、いつものように落とし穴が存在する。
  • VBAは動かない
  • シェイプやオブジェクト、SmartArt は表示されない
  • セルのコメントは表示されない
  • 外部ブック参照数式は再計算されない
また、最初の画像でわかるように凡例が文字化けしている。このような細かい調整はこれからだろう。


そして、大きな落とし穴が SharePoint リスト - Excel 連携で存在する。それは以下だ。
  • クエリ テーブル(外部データ範囲)は Excel Services から更新されない
があげられる。これはこのブログで紹介している SharePoint リストを Excel エクスポートしデータ接続(iqyファイル)から作成したテーブルも含まれる。

http://road2cloudoffice.blogspot.jp/2014/11/office-365-sharepoint.html

よって、SharePoint のページで共有できる状態は、ローカルPCの Excel でデータ更新をした時点のものに限られる。

できれば、Excel Services 上で更新、または、自動更新の機能を使って、最新情報をみたい、と思うだろう。

実は、SharePoint リストと Excel を連携させる方法は iqy ファイルを使ったデータ接続以外にもある。そして、Excel Services をさらに使いやすくする、上記の更新情報を提供する機能がある。それは PowerQuery と Power BI for Office 365 (有料別サブスクリプション)である。
これについては別の機会に紹介したい。

[参考]
Excel Online, Excel Services, Excel Web App の比較
http://office.microsoft.com/ja-jp/excel-help/HA102832426.aspx

Excel Services を使用して共同作業を行う
http://office.microsoft.com/ja-jp/excel-help/HA010108088.aspx

Excel と Excel Services のビジネスインテリジェンス
http://office.microsoft.com/ja-jp/excel-help/HA102915300.aspx

Excel Services で外部データを操作する
http://office.microsoft.com/ja-jp/excel-help/HA102830785.aspx

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PowerBI コミュニティ勉強会の 沼口 です。
https://powerbi.connpass.com/
最近の Excel は Office 365 のクラウドサービスと 連携する方向性が打ち出されています。この「Road to Cloud Office」ブログでは、Excel ユーザーの視点から Power BI Service や、Office 365 の活用方法を模索した結果をお伝えしています。
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