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2022/02/05

[Excel BI/Power Query] そのフィルター大丈夫ですか?そのピボットテーブル レポート本当に正しいですか?

かなり前に書きかけていた記事を追記・完成させて公開します。

Excel は大量のデータから欲しいデータを絞り込み、集計をするのは得意とするところですし、それを実現するために、SUMIFS 関数などの「数式・関数」を使ったり、オートフィルターやテーブル機能などの「機能」を使ったり、VBA を使ったプログラミングで実現するなど、さまざまな方法を使うことができます。それらの中でも「ピボットテーブル」は本当によく使います。

今回データを「絞り込む」ということに関して、以前、私自身がはまって、その理由が小一時間わからず、あらためて Excel の機能の特性を勉強させられたので、共有したいと思います。特に、ピボットテーブルと取得と変換 (Power Query) のクエリエディタを組み合わせて使っている方は、データの絞り込みの仕組みの違いを意識していないと、以下のような思わぬところで落とし穴にはまるかもしれません。

データソースからデータを絞り込む方法 - ピボットテーブル

実際の元データは4年分の勉強会開催のデータでしたが、ここでは簡単なサンプルを使って説明します。ピボットテーブルの元データとなるデータソースは外部の Web サーバー上から取り出すテーブルですが、Excel 上にサンプルのテーブルを作り、それを元データとするピボットテーブルを作成します。
テーブルからピボットテーブルを作成する
このケースであれば、全部で9件分のデータをピボットテーブルでは「タイプ」のAからFにまとめて集計しています。元のデータソースは「テーブル」で作成しているので、11行目に新しいレコードが追加されても、ピポットテーブルは「更新」するだけで、元データソースの範囲を再指定することなく、追加された新しいレコードを含めた集計結果をピボットテーブルで返します。(これも知らない人が多いので注意です!)
元のデータソースにレコードを追加して、ピボットテーブルでレポートを更新する
いつもやっている、見慣れた操作とその結果です。
このピボットテーブルレポ―トから、タイプの A と B の集計の必要がない場合は、ピボットテーブルの「フィルター機能」を使うと思います。ピボットテーブルで絞込みをするための方法は2つの方法があって、1つは行ラベルにある矢印ボタンからフィルターを設定する方法、もう1つはピボットテーブルのフィールドリストにある「フィルター」を使って絞り込む方法です。ここでは行ラベルのボタンを使ってフィルターをかけてみます。
行ラベルのボタンでフィルターを設定する
何も問題ありませんよね。
「このレポートを作成・提出して終わり」といった Excel の使い方であれば、ピボットテーブルを使って作成するレポートはここで終わりだったと思います。

自分のケースの場合は、上記のサンプルのように Excel のテーブルが元データソースではなく、WebサービスからAPIで取得するものでした。その為、データを取得し、絞り込むところは取得と変換(旧Power Query)のクエリエディタで行っていました。結果、元のデータソースに日々データが追加されるような場合でも、不要なデータ(上記の例ではタイプAとB)を「Power Query エディタ-」で除外し、取得と変換の「更新」ボタンで最新データを取りこんで、新規に追加されたデータをピボットテーブル レポートに表示していました。

さて、サンプルに戻り、上記のケースと同様の状況を作ってみます。データソースのテーブルに新しいデータを追加して、ピボットテーブルを更新してみます。ピボットテーブルではAとBを除くフィルターが設定されている状況です。
データを更新、追加してピボットテーブルを更新する
タイプGの30、Bの30、Hの100を追加します。ピボットテーブルを更新することで、Bはフィルターでチェックを外しているので、集計対象になりません。Gは40から70に更新され、総計も110から140になりました。
ところが、Hのレコードはピボットテーブル レポートに反映されません。

この絞込みのフィルターの条件は「AとBをはずす」ではなく、絞り込むときに存在していたA,B,C,D,E,F,Gからチェックが付いている「C,D,E,F,Gだけを選ぶ」なのです。よって、新規にデータソースに追加されたHはピボットテーブル レポートに反映されないのです。

私がはまったのはまさにこのケースで、「ちょっと楽してピボットテーブル レポートの列フィルタで絞り込み」した結果、除外ではなく、そこに表示されているものだけを選択する、になってしまったため、その後でデータ/ レポートの更新を行っても、追加された新しいタイプのレコードはピボットテーブルに反映されない状態になったのでした。

クエリエディターの絞込みは「除外」(注:基本は・・・です)

ややこしいのは、この Excel の絞り込みの操作と、クエリ エディターでの操作がほぼほぼ見た目が同じということです。クエリエディタで行のフィルターをかける操作は、ピボットテーブルと同じような操作で、列名にあるボダンを使って指定できます。
クエリエディタ―の列名ボタンからフィルターを設定する
繰り返しになりますが、ピボットテーブルのフィルター設定と同じ操作でも、上記の場合、その意味は違っていて、■(すべて選択)が押されている状態から A, B を外した場合は、まさに「AとBを外す」という条件になります。詳細エディターで確認すると、以下のようなM言語による式が記録されています。

フィルターされた行 = Table.SelectRows(変更された型, each ([タイプ] <> "A" and [タイプ] <> "B"))

上記の式では、Table.SelectRows に それぞれの行の[タイプ]がAではなく、かつ、Bでもない、という条件を引数として与えています。<>は「等しくない」を表します。

よって、全件が入っている元データから「取得と変換」のクエリ エディターを使って行の絞り込みを行い、その絞り込んだ結果を使ってピボットテーブルを作る方法は、レポートに新しいタイプの新規の行がきちんと追加されているので、問題ありませんでした。この使い方の多くは、レポートに不適切なレコードが入ってきたら、クエリエディターのフィルターオプションでそのタイプを除外するように設定して、必要なデータのみレポートで利用していました。

トラブルのケースでは、ついうっかりピボットテーブル側で行の絞り込み条件を設定しそのままにしてしまい、たまたま元のテーブルに新しいタイプのレコードが追加されたことを「知っていた」ので、ピボットテーブル レポートが正しくないことに気が付きましたが、これ、実際のデータは数万件で、毎月追加される件数もかなりの数ですから、気が付かないことのほうが多いかもしれませんね。

しかし、このトラブル、これで終わりではなかったのです。

クエリ エディターの絞り込みは必ず「除外」ではなく選択する数による

ところが、別件でまたピボットテーブル レポートに新しいデータが追加されないケースに遭遇しました。今度はピボットテーブルの列フィルタは使っていません。そこでクエリ エディターを見ると、なんと除外ではなく、Excel のピボットテーブルのフィルタ同様に「選択」になっていました。


= Table.SelectRows(変更された型, each ([タイプ] = "C" or [タイプ] = "D" or [タイプ] = "E" or [タイプ] = "F" or [タイプ] = "G"))

上記の式では、タイプがCまたはDまたはEまたはFまたはGと等しいもの、という指定になっています。これでは11種類めの新規のタイプが追加されてもクエリ エディターによる絞り込みテーブルには追加されず、ピボットテーブル レポートにも追加されません。

サンプルの10種類のタイプをもつレコードを用意して検証してみると以下のような結果になりました。

除外が1つの場合
= Table.SelectRows(変更された型, each ([タイプ] <> "A"))

除外が2つの場合
= Table.SelectRows(変更された型, each ([タイプ] <> "A" and [タイプ] <> "B"))

除外が3つの場合
= Table.SelectRows(変更された型, each ([タイプ] <> "A" and [タイプ] <> "B" and [タイプ] <> "C"))

除外が4つの場合
= Table.SelectRows(変更された型, each ([タイプ] <> "A" and [タイプ] <> "B" and [タイプ] <> "C" and [タイプ] <> "D"))

除外が5つの場合(ここで条件式が変わる)
= Table.SelectRows(変更された型, each ([タイプ] = "F" or [タイプ] = "G" or [タイプ] = "H" or [タイプ] = "I" or [タイプ] = "J"))

以降除外が9までは「=」の指定

除外が10個の場合=すべて除外 (また <> が使われる)
= Table.SelectRows(変更された型, each ([タイプ] <> "A" and [タイプ] <> "B" and [タイプ] <> "C" and [タイプ] <> "D" and [タイプ] <> "E" and [タイプ] <> "F" and [タイプ] <> "G" and [タイプ] <> "H" and [タイプ] <> "I" and [タイプ] <> "J"))

なるほど、過半数以上になると条件式が「反転」するようですが、みなさん、これ、意識してますか? 

これ以来、自分は行のフィルター設定をいぢる場合は、ドロップダウンで表示されるGUIを使って指定しても、かならず fx の数式の条件が = なのか、<> なのかを確認するようになりました。

行フィルターを使用している、みなさんのクエリ エディターやピボットテーブル レポート、本当に新しいレコード含まれていますか? 

ちょっと怖いですね。

以上、参考になれば幸いです。

2021/06/25

[Excel BI] ピボットテーブルで全体に対する%を計算する

ピボットテーブルを使いこなせたら、ものすごい時間短縮になり、仕事の結果も出る!と考えている人は多いと思います。ピボットテーブルが使えない原因のほとんどは「元データ」にあって、それで行き詰まる人が多い、というのはよく聞く話なんですが、逆に、もし元データに問題がなかったらすべてうまくいくのか?というと、実はそうでもありません。

やり方さえ知っていれば超時間短縮になるのに、といつも思うのがピボットテーブルの「全体に対する(占める)割合(%)の計算方法」です。ピボットテーブル作成までできているので、本当に「あとちょっと」なんです。

以下のようにピボットテーブルの外で計算しているワークシートを見ました。数式の =E2/$E$6 が総計に対する割合を計算しています。$は相対・絶対参照云々、、、ということを言いたいわけではないんです。


Excelの素晴らしいところは創意工夫と時間をかければ何とかなるところです。しかし、そのため知っていれば楽になる本来の使い方を知らないまま、無駄に時間をかけてしまうこともしばしばあります。(余談ですが、同じ結果が出る違うやり方があったり、追加された新機能で今まで苦労してたことが楽になった、など、経験者でもそれ知らなかった、なんてことはザラなので、知らないことを卑下することはありません!)

上記のやり方でレポート終了、今後そのワークシートを再利用しないのであれば、これでも全然問題ないのですが、例えば、製品Eが追加された、Bが無くなった、などのデータの追加・更新がはいった時は行数が変わるので計算式を調整する必要があります。1つや2つなら目で確認できますが、1000個ある内の20個くらいが入れ替わる、という状況では目で追うこともできません。それを関数やマクロでチェックする、、、なんていう斜め上の方向に行く前にピボットテーブルの機能を見直してください。めんどくさいなぁ、と思うことはだいたい実現されています。

ピボットテーブルで列に対する割合を計算する

上の図のように総計 30 を 100% として、各項目 A, B, C, D の占める割合 % を出したいパターンは使うケースがかなり多いと思います。とても簡単なので是非覚えてください。

ポイントはセルの書式設定と一緒で「データの見せ方を変えてあげる」なんです。

通常のデータと、割合のデータの2つが必要なので、以下のように個数の列を2つ作ります。


個数のフィールドを同じように値のボックスに何個でもドロップすることで同じ列を作成できます。次にこのように作った「合計/個数2」の列を%の見せ方に変えます。その列にあるセルの上で右クリックをして、右クリックメニュー(コンテキストメニュー)を表示します。


上のメニューの下から4番目にある「計算の種類」を選択します。


ここで「うぁ、、何選べかいいかわからない」となりそうですが、列に対する比率を計算するので、「列集計に対する比率」か「親列集計に対する比率」のいずれかです。とりあえず、「行集計に対する比率」を選んでください。


あとは、セルの書式設定で小数点以下の桁数を調整してもよし、値フィールドの設定から表示形式を調整し小数点以下の桁数を1などにすれば以下のようになります。


いろいろな計算オプションがあるのは、いろいろなケースに対応するためです。たとえば、以下のようなピボットテーブルの場合はどうでしょう。


単純に総計の 30 に対して占める割合であれば、先ほどの「列集計に対する比率」でOKです。でも、だいたいビジネスの世界では以下のように「キッチン用品」とか「庭用品」で小計をしたりします。同じように事業部毎だったり、リージョン・地域ごとだったりします。
(せっかくなので、その小計の出し方を含めてアニメーションGIFにします)



別の計算の種類を選ぶことで、カテゴリ(キッチン用品、庭用品)を100%にして各項目の割合を出すこともできます。いろいろ試してみてください。

忙しいビジネスパーソンこそピボットテーブルを習得すべき

ビジネスパーソンのための、、、というお題で極論すれば、Excelは関数、ましてやマクロやVBAを覚える前に、ピボットテーブルだけを覚えれば、大体の計算はできます。なぜならビジネスの基本のデータは「表」形式であり、表をベースにした計算が求められるからです。

Excelの機能としての「テーブル」、それらを成形・集計するピボットテーブル、さらにクラウドやサーバーからデータを取りこむExcelの「取得と変換」、グラフはExcelの機能としてはかなり複雑で難しいのですが、それでも最新機能で必要なところだけ押さえることでかなりのことができると思います。

あまた機能を内蔵しているExcelはその学習コストがあまりに高い、大きいです。よりに自分に必要な機能を厳選して、それらの機能習得に時間やお金をかけることが望まれます。

何らかの参考になれば幸いです。

過去の投稿ですが、知識としてはまだ使えますのでお時間があればどうぞ参照ください。

[Excel BI]ピボットテーブルで予算と実績を管理する
https://road2cloudoffice.blogspot.com/2019/09/excel-bi.html

[Excel] テーブルのすすめ ピボットテーブルとリレーションシップ

[Excel] テーブルのすすめ 集計行
https://road2cloudoffice.blogspot.com/2014/10/blog-post_31.html

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自己紹介

自分の写真
1989年新卒で日本IBMに入社しダウンサイジング担当としてホストコンピュータと繋げるオフコン、UNIX、PCサーバーのプロジェクトを担当。1997年 MSKK(現日本マイクロソフト)入社、NT4出荷に伴い企業向けサポート部門のビジネスマネージャーとして Excel 使いとなり、2002年 にMSMVPなどをサポートするユーザーコミュ二ティ部門を設立、部門をリード。2006年にMSKK退職後、企業向けのITトレーニング会社・団体に携わり、2014年頃よりPowerBI勉強会主催メンバーの一人として参画、そのコミュニティ活動で MSMVP for Data Platform PowerBI 2017受賞。https://mvp.microsoft.com/ja-jp/PublicProfile/5002635 同年にMVP Awardを返上し、アマゾン ウェブ サービス ジャパンに入社、コミュニティプログラム担当として現在に至る。