2014/11/26

PowerPivot で計算フィールドを使う

Excel の Pivot テーブルの集計アイテムや集計フィールドを使いこなすのはなかなか難しいが、もし使いこなしているとすれば、PowerPivot で同様に機能を提供する「計算列」や「計算フィールド(メジャー)」の考え方は問題ないであろう。

PowerPivot で「集計アイテム」や「集計フィールド」がグレイアウトされて選択できない状態になるが、これはこれまでの制限の裏返しでもある。

以下の Excel のピボットテーブルの Office Online の記事「ピボットテーブル レポートで値を計算する」を読むとわかるが、ことあるごとに「OLAPデータベースサーバーのデータは使えない、OLAPの管理者の問い合わせてください」というくだりが出てくる。

Office Online 「ピボットテーブル レポートで値を計算する」
http://office.microsoft.com/ja-jp/excel-help/HP010096323.aspx

逆に、PowerPivot を使えば、これまでの「集計アイテム」や「集計フィールド」は使えなくなるが、PowerPivot の「計算列」や「計算フィールド」を使うことで、データソースの種類に関係なく、Excel のピボットテーブル レポートを作成することができる、と言える。OLAP のデータも、Excel のテーブルもデータ モデルとして扱うことで、それが可能になるのである。

データ モデルという仕組みが、どんなデータであろうと Excel に対して共通のインターフェースを提供し、Excel 側では単一のツールでさまざまなデータソースのデータを利用できるメリットは大きい。

特に Office 365 と Excel の組み合わせでは、このデータ モデルによるデータソースの多様化の恩恵を PowerPivot や PowerQuery を使うことで最大限に受けることが可能になる。

話が逸れてしまったが、あらためて Excel はエンドユーザー側のフロントエンドのツールとして、レポート作成に使われたり、分析に使われたりする機会が多くなるだろう。そのため、PowerPivot などの機能を習得することは無駄にはならないはずである。

計算フィールド(メジャー)を定義する

計算列はすでに紹介したが、実際のところ計算列は理解するのにそれほど苦労はないだろう。ワークシートのような PowerPivot ウィンドウのデータビューの「列の追加」での操作は、ポイントとなる DAX 関数さえ知っていれば Excel ユーザーとっては慣れたものであろう。


一方で計算フィールドは計算列ほど単純ではないと感じるユーザーも多いかもしれない。
一番わかりやすいのは、数量などの合計をピボットテーブルでも計算するが、=SUM() などの計算式を入れずに「値フィールドの設定」から選択して使うことが多いだろう。これを PowerPivot では「暗黙的な計算フィールド」と呼んでいる。ピボットテーブルのフィールドリストの「Σ 値」のエリアに配置されるものだ。


計算フィールドの作成方法は2つの方法が存在している。ひとつは Excel の PowerPivot タブの計算にある [計算フィールド] を使う方法。もうひとつは PowerPivot ウィンドウのデータ ビューで「計算領域」に記入する方法である。

PowerPivot タブの[計算フィールド]

PowerPivot ウィンドウの計算領域での計算フィールドの設定

計算フィールドそのものの解説や、計算フィールドの利用方法や設定方法、計算フィールドと計算列の違いなどは以前紹介した自習書やピボットテーブルの解説を参照してほしい。重要なのは PowerPivot を使ったからといってピボットテーブル レポート内で数式を使った計算(集計アイテム)ができないことはない、ということだ。

PowerPivot 自習書
SQL Server 2012 自習書シリーズ
PowerPivot for Excel によるセルフ サービス分析

Office Online - ピボットテーブル レポートで値を計算する
http://office.microsoft.com/ja-jp/excel-help/HP010096323.aspx

Office Online - PowerPivot での計算フィールドの作成
https://support.office.com/ja-jp/article/PowerPivot-%E3%81%A7%E3%81%AE%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%81%AE%E4%BD%9C%E6%88%90-D3CC1495-B4E5-48E7-BA98-163022A71198?ui=ja-JP&rs=ja-JP&ad=JP

特に通常の Excel であれば条件付き書式を使ったデータの可視化、データ分析では KPI と称されることが多いが、これを集計フィールドの KPI アイコンとして設定することができる。この方法も自習書シリーズで解説されているので参考できるだろう。

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自己紹介

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1989年新卒で日本IBMに入社しダウンサイジング担当としてホストコンピュータと繋げるオフコン、UNIX、PCサーバーのプロジェクトを担当。1997年 MSKK(現日本マイクロソフト)入社、NT4出荷に伴い企業向けサポート部門のビジネスマネージャーとして Excel 使いとなり、2002年 にMSMVPなどをサポートするユーザーコミュ二ティ部門を設立、部門をリード。2006年にMSKK退職後、企業向けのITトレーニング会社・団体に携わり、2014年頃よりPowerBI勉強会主催メンバーの一人として参画、そのコミュニティ活動で MSMVP for Data Platform PowerBI 2017受賞。https://mvp.microsoft.com/ja-jp/PublicProfile/5002635 同年にMVP Awardを返上し、アマゾン ウェブ サービス ジャパンに入社、コミュニティプログラム担当として現在に至る。