2017/05/12

[Power BI] 新しいライセンスと無料版の変更についての発表

日本では GW の真っ只中 5/3 に、Power BI の新しいライセンスと、それにともなう無料版の変更についての発表がありました。

Power BI はいくつかのサービスやコンポーネントから成り立つ「サービス ブランド名」です。今回の変更は、「Power BI Service」にかかわるライセンスの変更で、Excel アドオンの「Power Query」や「取得と変換」の機能そのものへの影響はありません。まず、ここがポイントですね。ただし、Power BI Desktop については、利用できる機能の範囲や容量がライセンスによって変わります。

以下は、英語版の情報と、日本マイクロソフトさんによる日本語訳の情報です。

Microsoft accelerates modern BI adoption with Power BI Premium

Power BI Premium の発表 および Power BI (無料) における変更点について

日本語訳情報のページにある以下の図がわかりやすいと思います。

Power BI Premium は Power BI Pro ライセンスと、ユーザー数カウントしない Power BI user ライセンスの組み合わせです。クラウド上の Power BI の「ノード」を占有することで、パフォーマンスの確保が可能で、ユーザー数でライセンスカウントをしないものです。ただし、ユーザー数が多くなれば、推奨されるノード数を増やさなければなりません。必要なノード数は「カリキュレーター」で求めることができます。

頻繁に使う、使わない、という一般ユーザーの想定にもよりますが、1ノードで1500人くらいには対応するようです。実際にカリキュレーターで試してみてください。なお、P1ノードと呼ばれる1ノードあたりの月額使用料は 545,000円 です。また、オンプレミスで Power BI Report Server の利用もノード数と同等分追加コストなしで利用可能になる、とのことです。

利用数が多くなれば、ユーザーあたりのラインセンス量が低くなることから、Power BI Premium の恩恵は規模の大きな組織、企業向けと言えるでしょう。

一方、Power BI Free は良い話と、注意しなければならない変更があります。
良い話は、多くの「Pro」と同じ機能が利用可能になる、という点です。
・接続できるデータソースの種類
・容量の上限
・更新頻度
・ストリームデータの行数制限

一方、Power BI Free の位置づけは「個人」(つまり、企業・組織での共同作業でなない)と明確に位置付けられたため、ダッシュボードの共有機能が利用できなくなります。
この意味は「共有の設定」ができないだけでなく、共有コンテンツの閲覧もできない、というものです。
上述については、Power BI の Community の掲示板のディスカッションから判断できました。
If I am a "Pro" user, can I share my dashboards with "Free" users? In our organization, there are really two types of individuals, Report Writers and Report Consumers. It would not make sense for us to pay for Pro licenses just for the users that we would be viewing some of the reports that we are putting together since they would not be using any of the other features of a pro license.
もし自分がProユーザーであれば、Freeのユーザーと自分のダッシュボードの共有はできますか?組織にはレポートを作る人と、レポートを見る人がいます。Proライセンスの機能を使わないユーザーであっても、レポートを見るためには Pro ライセンスが必要というのは理解できない、、、と言っているユーザーに対する管理人(MSFT)の返答は以下です。
That’s correct @nickjgill, as we announced this morning Power BI Premium tackles that issue. We have a calculator that can help organizations figure out which option makes sense depending on their mix of Pro Users and readers. Depending on size and usage, the solution might be different.
そのとおりで、その問題に対しての取り組みが Power BI Premium です。Proユーザーとリーダーの割合などカリキュレーターが支援します、、、

ソースはこちらです。

常時、Power BI Service を利用して、データインサイトの共有を即時にしたいのであれば、基本は Power BI Pro を1ユーザーあたり月額 1,090円でサブスクリプション購入する、共有コンテンツを利用する人数が多いようであれば、Power BI Premium の購入を検討する、という流れでしょう。ワークスペースにあるコンテンツ(ダッシュボード、App など)へのアクセスができないのが Free 版、と思って現時点は間違いないでしょう。

これらの変更は 6月1日からなので、今後さらに詳細の情報が公開されると思います。

こちらのブログも参考にしています。

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自己紹介

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1989年新卒で日本IBMに入社しダウンサイジング担当としてホストコンピュータと繋げるオフコン、UNIX、PCサーバーのプロジェクトを担当。1997年 MSKK(現日本マイクロソフト)入社、NT4出荷に伴い企業向けサポート部門のビジネスマネージャーとして Excel 使いとなり、2002年 にMSMVPなどをサポートするユーザーコミュ二ティ部門を設立、部門をリード。2006年にMSKK退職後、企業向けのITトレーニング会社・団体に携わり、2014年頃よりPowerBI勉強会主催メンバーの一人として参画、そのコミュニティ活動で MSMVP for Data Platform PowerBI 2017受賞。https://mvp.microsoft.com/ja-jp/PublicProfile/5002635 同年にMVP Awardを返上し、アマゾン ウェブ サービス ジャパンに入社、コミュニティプログラム担当として現在に至る。