ついに待望の機能「クイック メジャー」が追加されました。
2017年4月現在、クイック メジャー (Quick Measures) は「簡易分析」という日本語訳が当てられていますが、近い将来、すべての訳は クイック メジャー に変更されそうです。
クイック メジャーは、Excel ユーザーにとってみればピボットテーブルの「計算の種類」です。Power BI Desktop ユーザーにとっては「自動DAX式生成機能」といえるでしょう。複雑な DAX 式を手で作るのではなく、ダイアログで条件などを指定することで「自動生成」してくれる機能です。
ピボットテーブル レポートを使って分析をしている Excel ユーザーにとっては、DAX 式学習のコスト削減になることは間違いありません。
ピボットテーブル レポートの「計算の種類」のリストから選択し、ダイアログボックスで条件設定するだけでできるのと同じ計算を、Power BI Desktop でやるには?という質問に、「DAX でイチから書くしかないですね」といつも言われ、その DAX 式が結構複雑になることから、Power BI Desktop の利用・移行を躊躇している人も多かったと思います。
たとえば以下のピボットテーブル レポートでは、計算の種類の「基準値との差分の比率」 - 「基準アイテム (前の月)」を使って、前月との差分を計算しています。
繰り返しになりますが、この列の計算結果は、ピボットテーブルの「計算の種類」からダイアログの設定のみで算出可能です。数式を弄ることは一切ありません。
これと同じ計算結果を Power BI Destop のレポートでは、テーブルのビジュアルで、クイック メジャーを使うことで、DAX を直接記述する必要はなくなりました。
このメジャーの DAX 式は以下になります。この DAX 式は、日本語のエラーメッセ―ジを含めて、すべて自動的に作成されたものです。
前月との差分の比率(MoM% = Month Over Month %) を計算するには、上記のような DAX 式を書かなければならないわけですが、それをクイック メジャーのダイアログで条件設定することで可能になるのは、すごく利用のハードルを下げてくれました。
クイック メジャーはまだ「プレビュー」機能です。バージョン 2.45.4704.442 64-bit (2017年4月) 版から利用可能ですが、 オプションのプレビュー機能のチェックをオンにする必要があるので注意してください。
とりいそぎ現時点でマイクロソフトから提供されている クイック メジャー の情報のページは以下になります。ぜひ参考にしてください。
Use Quick measures to easily perform common and powerful calculations (Preview)
https://powerbi.microsoft.com/ja-jp/documentation/powerbi-desktop-quick-measures/
2017/04/11
[Excel] 取得と変換が標準になります(更新チャンネル注意)
(注) 2017年3月の「取得と変換」データ タブの変更は更新チャンネル「Insider」限定です。
通常利用されている Office 365 の更新チャンネルではまだ適用されてません。
さらにパッケージ版(永続ライセンス)への変更についての発表はまだないようです。(2017年4月現在)
PowerBI エクセル アドインの Power Query は Excel 2016 より標準機能の「取得と変換」となりました、という話はこのブログで紹介してきたメインの内容でもあります。
Excel 2016 と Power Query (取得と変換)
https://road2cloudoffice.blogspot.jp/2015/11/excel-2016-power-query.html
その「取得と変換」について、さらに大きな変更が今年行われます。その日本語の記事がマイクロソフトより公開されていました。
統合された取得と変換
これまで外部データの取り込み機能として提供していた「外部データの取り込み」をリボンからはずして、「取得と変換」のみに変更する、というものです。2016年に標準機能になり、2017年には元の機能を置き換える、という流れですね。
ポイント1
2017年3月の更新は Insider 限定です。
Windows用 Excel2016 に対する更新(2017年3月)
通常は「Current(最新機能提供チャンネル)」や「Deferred の最初のリリース」などです。
更新チャンネル更新機能は以下のページが参考になります。
https://technet.microsoft.com/ja-jp/office/mt465751.aspx
チャンネルとリリース日については以下が参考になります。
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/mt592918.aspx
Office Insider はいち早く最新機能を利用し、検証するためのプログラムです。
https://products.office.com/ja-JP/office-insider
ポイント2
この更新は Office 365 サブスクリプションのみです。
上述の「統合された取得と変換」ページに以下の注意書きがあります。
そのため、Office Insider に登録していないユーザーの Excel では、まだこの変更は適用されませんのでご注意ください。
ご自分の Office が何かを調べる方法は以下のページの方法が参考になります。
使用している Office のバージョンを確認する方法
この方法で「製品情報 Office」の下に「サブスクリプション製品」とあれば、それは Office 365 の Office (笑) です。サブスクリプション製品という単語がなく、「ライセンス認証された製品」であれば、それは Office 365 ではない、永続ライセンスの Office (昔からの Office) です。
繰り返しになりますが、Office 365 サブスクリプション製品であっても、更新チャンネルの確認をしてください。最近は Insider プログラムの内容が一般公開されることが多く、更新チャンネルが「最新機能提供チャンネル」であっても、記事にある最新機能の更新確認ができないことも多々あります。
更新チャンネルの種類と特徴については、以前にブランチ(分岐)という呼び名も使われ、過去のネットの記事を参照すると混乱しがちですが、以下のマイクロソフトの記事を参考にしてください。
Office 365 ProPlus 更新プログラム チャンネルの概要
通常利用されている Office 365 の更新チャンネルではまだ適用されてません。
さらにパッケージ版(永続ライセンス)への変更についての発表はまだないようです。(2017年4月現在)
PowerBI エクセル アドインの Power Query は Excel 2016 より標準機能の「取得と変換」となりました、という話はこのブログで紹介してきたメインの内容でもあります。
Excel 2016 と Power Query (取得と変換)
https://road2cloudoffice.blogspot.jp/2015/11/excel-2016-power-query.html
その「取得と変換」について、さらに大きな変更が今年行われます。その日本語の記事がマイクロソフトより公開されていました。
統合された取得と変換
これまで外部データの取り込み機能として提供していた「外部データの取り込み」をリボンからはずして、「取得と変換」のみに変更する、というものです。2016年に標準機能になり、2017年には元の機能を置き換える、という流れですね。
ポイント1
2017年3月の更新は Insider 限定です。
Windows用 Excel2016 に対する更新(2017年3月)
通常は「Current(最新機能提供チャンネル)」や「Deferred の最初のリリース」などです。
更新チャンネル更新機能は以下のページが参考になります。
https://technet.microsoft.com/ja-jp/office/mt465751.aspx
チャンネルとリリース日については以下が参考になります。
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/mt592918.aspx
Office Insider はいち早く最新機能を利用し、検証するためのプログラムです。
https://products.office.com/ja-JP/office-insider
ポイント2
この更新は Office 365 サブスクリプションのみです。
上述の「統合された取得と変換」ページに以下の注意書きがあります。
そのため、Office Insider に登録していないユーザーの Excel では、まだこの変更は適用されませんのでご注意ください。
ご自分の Office が何かを調べる方法は以下のページの方法が参考になります。
使用している Office のバージョンを確認する方法
この方法で「製品情報 Office」の下に「サブスクリプション製品」とあれば、それは Office 365 の Office (笑) です。サブスクリプション製品という単語がなく、「ライセンス認証された製品」であれば、それは Office 365 ではない、永続ライセンスの Office (昔からの Office) です。
繰り返しになりますが、Office 365 サブスクリプション製品であっても、更新チャンネルの確認をしてください。最近は Insider プログラムの内容が一般公開されることが多く、更新チャンネルが「最新機能提供チャンネル」であっても、記事にある最新機能の更新確認ができないことも多々あります。
更新チャンネルの種類と特徴については、以前にブランチ(分岐)という呼び名も使われ、過去のネットの記事を参照すると混乱しがちですが、以下のマイクロソフトの記事を参考にしてください。
Office 365 ProPlus 更新プログラム チャンネルの概要
2017/04/03
[Office 365] Access Services 終了と PowerApps/Flow
Office ファミリーの1つで、今も利用者が多い Access に関連する、インパクトの大きい情報が公開されました。(2017年3月27日)
[Office Retirement Blog] Updating the Access Services in SharePoint Roadmap
Access Services は Office 365 から「リタイア」することになった、というものです。今年の6月以降は新規アプリケーション作成ができなくなり、来年の4月には「シャットダウン」する予定のようです。
利用していたデータは SharePoint リストに移すよう提案しています。
オンプレミスの SharePoint Server では、プロダクトライフサイクルポリシーにそって、次のバージョンでも Access Services や Access Web Apps 機能は提供され、もちろん、デスクトップの Access にこの決定は影響ないと上記のリンクでは紹介されています。Office 365 のサービスだけに影響します。
もしかすると「Access Services 」の説明が必要な方がいらっしゃるかもしれません。
Access Services は、SharePoint の機能(アプリ)の1つで、Access を使ってクラウド上の SQL Azure にデータを追加・更新・削除が可能で、そうして設計したデータベースを SharePoint に登録することでブラウザのみでデータを扱うこともできるようになります。
データベースのエンジンは SharePoint を経由して SQL Azure になり、テーブルの作成、データの入力や更新などは Access を使うことができるので、Access の知識でクラウドのデータベースを利用できるのがメリットといえます。
Access は1990年代から2000年初頭に「エンドユーザーコンピューティング」の代表格として扱われました。Access で簡易アプリケーションの開発をやられた方、それらを利用した方は相当多いんじゃないでしょうか。
エンドユーザーコンピューティングが目指していた、現場の人が、ノン・プログラミングまたはほんのちょっとだけのプログラミングで、業務を支援する仕組み開発は、業務アプリケーションもクラウドを利用したものが多くなるにつれて、ローカルの PC ではなく、インターネットやクラウド上に移っていくわけですが、Excel VBA や Access のような息の長いサービスは出てきてないように思われます。
技術や環境の移り変わりがものすごく早いため、ともいえるのですが、上述に近いエリアのサービスや製品は、記憶にあるだけでも結構あります。
InfoPath
(終了のお知らせ) https://blogs.office.com/2014/01/31/update-on-infopath-and-sharepoint-forms/
Visual Studio LightSwitch
(終了のお知らせ) https://blogs.msdn.microsoft.com/lightswitch/2016/10/14/lightswitch-update/
WebMatrix
(終了のお知らせ) https://blogs.iis.net/webmatrix/webmatrix-product-support-ends-on-november-1st-2017
Project Siena (Beta)
(終了のお知らせ) https://social.technet.microsoft.com/Forums/en-US/14cc68e9-7663-4611-a442-ba8d9d8834cb/welcome-to-microsoft-powerapps?forum=projectsiena
このように乱立気味だったエンドユーザー向けの開発・実行サービスは、どうやら PowerApps と Flow に一本化されそうな流れです。
PowerApps はスマホやタブレットといった新しいデバイスを念頭にしたアプリケーション開発サービスです。画面、フォームを作るもの、ですね。Flow はワークフロー処理を行ってくれますが、イベントによって何か処理をする、という感じでしょうか。
Excel も OneDrive を利用することで「アンケート機能」や「PowerBI連携」が可能になりますが、PowerApps と Excel の連携も可能です。Excel VBA と同じように Excel + PowerApps + Flow が使われるようになるかはこれからですが、Excel VBA の拡張や進化がないと公言されている以上、クラウドを利用するユーザーは PowerApps + Flow を浅くてもいいので学んでおいて損はないと思われます。以下が PowerApps と Flow の概要ページのリンクです。
PowerApps
https://powerapps.microsoft.com/ja-jp/tutorials/getting-started/
Flow
https://flow.microsoft.com/ja-jp/documentation/getting-started/
[Office Retirement Blog] Updating the Access Services in SharePoint Roadmap
Access Services は Office 365 から「リタイア」することになった、というものです。今年の6月以降は新規アプリケーション作成ができなくなり、来年の4月には「シャットダウン」する予定のようです。
利用していたデータは SharePoint リストに移すよう提案しています。
オンプレミスの SharePoint Server では、プロダクトライフサイクルポリシーにそって、次のバージョンでも Access Services や Access Web Apps 機能は提供され、もちろん、デスクトップの Access にこの決定は影響ないと上記のリンクでは紹介されています。Office 365 のサービスだけに影響します。
もしかすると「Access Services 」の説明が必要な方がいらっしゃるかもしれません。
Access Services は、SharePoint の機能(アプリ)の1つで、Access を使ってクラウド上の SQL Azure にデータを追加・更新・削除が可能で、そうして設計したデータベースを SharePoint に登録することでブラウザのみでデータを扱うこともできるようになります。
データベースのエンジンは SharePoint を経由して SQL Azure になり、テーブルの作成、データの入力や更新などは Access を使うことができるので、Access の知識でクラウドのデータベースを利用できるのがメリットといえます。
Access は1990年代から2000年初頭に「エンドユーザーコンピューティング」の代表格として扱われました。Access で簡易アプリケーションの開発をやられた方、それらを利用した方は相当多いんじゃないでしょうか。
エンドユーザーコンピューティングが目指していた、現場の人が、ノン・プログラミングまたはほんのちょっとだけのプログラミングで、業務を支援する仕組み開発は、業務アプリケーションもクラウドを利用したものが多くなるにつれて、ローカルの PC ではなく、インターネットやクラウド上に移っていくわけですが、Excel VBA や Access のような息の長いサービスは出てきてないように思われます。
技術や環境の移り変わりがものすごく早いため、ともいえるのですが、上述に近いエリアのサービスや製品は、記憶にあるだけでも結構あります。
InfoPath
(終了のお知らせ) https://blogs.office.com/2014/01/31/update-on-infopath-and-sharepoint-forms/
Visual Studio LightSwitch
(終了のお知らせ) https://blogs.msdn.microsoft.com/lightswitch/2016/10/14/lightswitch-update/
WebMatrix
(終了のお知らせ) https://blogs.iis.net/webmatrix/webmatrix-product-support-ends-on-november-1st-2017
Project Siena (Beta)
(終了のお知らせ) https://social.technet.microsoft.com/Forums/en-US/14cc68e9-7663-4611-a442-ba8d9d8834cb/welcome-to-microsoft-powerapps?forum=projectsiena
このように乱立気味だったエンドユーザー向けの開発・実行サービスは、どうやら PowerApps と Flow に一本化されそうな流れです。
PowerApps はスマホやタブレットといった新しいデバイスを念頭にしたアプリケーション開発サービスです。画面、フォームを作るもの、ですね。Flow はワークフロー処理を行ってくれますが、イベントによって何か処理をする、という感じでしょうか。
Excel も OneDrive を利用することで「アンケート機能」や「PowerBI連携」が可能になりますが、PowerApps と Excel の連携も可能です。Excel VBA と同じように Excel + PowerApps + Flow が使われるようになるかはこれからですが、Excel VBA の拡張や進化がないと公言されている以上、クラウドを利用するユーザーは PowerApps + Flow を浅くてもいいので学んでおいて損はないと思われます。以下が PowerApps と Flow の概要ページのリンクです。
PowerApps
https://powerapps.microsoft.com/ja-jp/tutorials/getting-started/
Flow
https://flow.microsoft.com/ja-jp/documentation/getting-started/
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自己紹介
- Shigeru Numaguchi
- 1989年新卒で日本IBMに入社しダウンサイジング担当としてホストコンピュータと繋げるオフコン、UNIX、PCサーバーのプロジェクトを担当。1997年 MSKK(現日本マイクロソフト)入社、NT4出荷に伴い企業向けサポート部門のビジネスマネージャーとして Excel 使いとなり、2002年 にMSMVPなどをサポートするユーザーコミュ二ティ部門を設立、部門をリード。2006年にMSKK退職後、企業向けのITトレーニング会社・団体に携わり、2014年頃よりPowerBI勉強会主催メンバーの一人として参画、そのコミュニティ活動で MSMVP for Data Platform PowerBI 2017受賞。https://mvp.microsoft.com/ja-jp/PublicProfile/5002635 同年にMVP Awardを返上し、アマゾン ウェブ サービス ジャパンに入社、コミュニティプログラム担当として現在に至る。