PowerPivot で「集計アイテム」や「集計フィールド」がグレイアウトされて選択できない状態になるが、これはこれまでの制限の裏返しでもある。
以下の Excel のピボットテーブルの Office Online の記事「ピボットテーブル レポートで値を計算する」を読むとわかるが、ことあるごとに「OLAPデータベースサーバーのデータは使えない、OLAPの管理者の問い合わせてください」というくだりが出てくる。
Office Online 「ピボットテーブル レポートで値を計算する」
http://office.microsoft.com/ja-jp/excel-help/HP010096323.aspx
逆に、PowerPivot を使えば、これまでの「集計アイテム」や「集計フィールド」は使えなくなるが、PowerPivot の「計算列」や「計算フィールド」を使うことで、データソースの種類に関係なく、Excel のピボットテーブル レポートを作成することができる、と言える。OLAP のデータも、Excel のテーブルもデータ モデルとして扱うことで、それが可能になるのである。
データ モデルという仕組みが、どんなデータであろうと Excel に対して共通のインターフェースを提供し、Excel 側では単一のツールでさまざまなデータソースのデータを利用できるメリットは大きい。
特に Office 365 と Excel の組み合わせでは、このデータ モデルによるデータソースの多様化の恩恵を PowerPivot や PowerQuery を使うことで最大限に受けることが可能になる。
話が逸れてしまったが、あらためて Excel はエンドユーザー側のフロントエンドのツールとして、レポート作成に使われたり、分析に使われたりする機会が多くなるだろう。そのため、PowerPivot などの機能を習得することは無駄にはならないはずである。
計算フィールド(メジャー)を定義する
計算列はすでに紹介したが、実際のところ計算列は理解するのにそれほど苦労はないだろう。ワークシートのような PowerPivot ウィンドウのデータビューの「列の追加」での操作は、ポイントとなる DAX 関数さえ知っていれば Excel ユーザーとっては慣れたものであろう。
一方で計算フィールドは計算列ほど単純ではないと感じるユーザーも多いかもしれない。
一番わかりやすいのは、数量などの合計をピボットテーブルでも計算するが、=SUM() などの計算式を入れずに「値フィールドの設定」から選択して使うことが多いだろう。これを PowerPivot では「暗黙的な計算フィールド」と呼んでいる。ピボットテーブルのフィールドリストの「Σ 値」のエリアに配置されるものだ。
計算フィールドの作成方法は2つの方法が存在している。ひとつは Excel の PowerPivot タブの計算にある [計算フィールド] を使う方法。もうひとつは PowerPivot ウィンドウのデータ ビューで「計算領域」に記入する方法である。
PowerPivot タブの[計算フィールド]
PowerPivot ウィンドウの計算領域での計算フィールドの設定
計算フィールドそのものの解説や、計算フィールドの利用方法や設定方法、計算フィールドと計算列の違いなどは以前紹介した自習書やピボットテーブルの解説を参照してほしい。重要なのは PowerPivot を使ったからといってピボットテーブル レポート内で数式を使った計算(集計アイテム)ができないことはない、ということだ。
PowerPivot 自習書
SQL Server 2012 自習書シリーズ
PowerPivot for Excel によるセルフ サービス分析
Office Online - ピボットテーブル レポートで値を計算する
http://office.microsoft.com/ja-jp/excel-help/HP010096323.aspx
Office Online - PowerPivot での計算フィールドの作成
https://support.office.com/ja-jp/article/PowerPivot-%E3%81%A7%E3%81%AE%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%81%AE%E4%BD%9C%E6%88%90-D3CC1495-B4E5-48E7-BA98-163022A71198?ui=ja-JP&rs=ja-JP&ad=JP
特に通常の Excel であれば条件付き書式を使ったデータの可視化、データ分析では KPI と称されることが多いが、これを集計フィールドの KPI アイコンとして設定することができる。この方法も自習書シリーズで解説されているので参考できるだろう。
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